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開発事例

生年月日だけで学歴欄を埋める、の中身は4月1日と1989年1月だった ― 履歴書メーカー

生年月日だけで学歴欄を埋める、の中身は4月1日と1989年1月だった ― 履歴書メーカー

“4月1日生まれと4月2日生まれは、1日しか違わないのに、学歴欄の全部の行が1年ずれます。”

履歴書を書くとき、いちばん手が止まるのは学歴欄だと思っています。

履歴書メーカーの画面

高校に入ったのは何年の4月だったか。指を折って数えて、途中で早生まれだったことを思い出して、1年戻す。就職や転職のたびに、同じ計算をやり直すことになる。

なので、生年月日を入れるだけで入学と卒業の年月が並ぶ履歴書メーカーを作りました。無料で、登録もいりません。

計算そのものは、足し算が数本あるだけです。それなのに最初の版には、公開の2日後に直すことになる間違いが入っていました。

11日違いで、全部の行が1年ずれる

学歴の年月は、1つの数字から全部出せます。その人が何年度の学年に属するか。コードの中では「生年度」と呼んでいます。

生年度をYとすると、高校入学はY+16年の4月、高校卒業はY+19年の3月。大学に4年通えば、Y+23年の3月に卒業です。

難しいのは、Yを決めるところだけでした。

1月1日から4月1日までに生まれた人、いわゆる早生まれは、1つ前の年度に入ります。4月1日が早生まれの側に入るのは、法律上、歳をとるのが誕生日の前日だから。ここを「4月1日から新しい年度」と書いてしまうと、4月1日生まれの人だけ、学歴が丸ごと1年遅れて出ます。

1日違いで、学歴欄のすべての行が1年ずれる

生年月日生年度高校入学大学卒業(4年)
1995年3月31日1994年度2010年4月2017年3月
◎1995年4月1日◎1994年度(早生まれ)2010年4月2017年3月
1995年4月2日1995年度2011年4月2018年3月

4月1日と4月2日。1日しか違わないのに、履歴書の学歴欄は全部の行が1年ずれる。テストでは、この境目の日付だけで5本書きました。4月2日、4月1日、3月31日、1月1日、12月31日です。

2最初の版は、1989年1月を全部「昭和」にしていた

履歴書メーカーを出したのは9月7日です。そのとき、西暦を和暦に変える関数は、年と月しか受け取っていませんでした。

令和は5月1日に始まったので、月まで分かれば足ります。平成は違いました。1989年1月7日までが昭和64年で、1月8日からが平成元年。月の途中で元号が変わっているんですよね。

月しか見ない関数は、1989年1月を丸ごと昭和64年と答えていました。1月8日から31日までの24日間に生まれた人は、生年月日の欄に、この世に無い日付を書かれていたことになります。

もう1つ。1926年より前の年を渡すと、「昭和0年」や「昭和-13年」を返していました。

同じ日付を、直す前と直した後の関数に渡した結果

渡した日付9月7日の版9月9日に直した版
1989年1月7日昭和64年昭和64年
1989年1月8日昭和64年◎平成元年
1926年4月昭和1年◎大正15年
1925年6月昭和0年◎大正14年
1912年7月30日昭和-13年◎大正元年

直したのは9月9日。関数に日まで渡せるようにして、元号を明治から令和までの5つ、改元の日付つきで持たせました。生年月日の欄は、日まで渡しています。

学歴の行には、日を渡していません。出てくるのが3月と4月だけで、改元のあった1月・5月・7月・12月に当たらないからです。

大正生まれの人が履歴書を書くことは、まず無いと思います。それでも直したのは、マイナスの年を平気で返す関数を置いておきたくなかったから。そういう関数は、あとで別の画面から呼んだときに、誰も気づかないまま嘘をつきます。

テストは、最初の版で27本。直したあとで38本になりました。増えた11本は、全部が元号の境目です。

3浪人と留年は、ずらす場所が違う

学歴を自動にすると決めたとき、一番迷ったのはここでした。

浪人は、高校を出てから次の学校に入るまでが延びます。だから入学から後ろが全部ずれる。留年や休学は、入学は予定どおりで、卒業だけが遅れます。

1994年5月12日生まれで大学に行った人なら、1年浪人すると2014年4月入学・2018年3月卒業。1年留年すると、2013年4月入学のままで、卒業が2018年3月になる。卒業の年は同じでも、入学の行が違います。

選べる最終学歴は5つにしました。高校卒業、専門学校(2年)、短期大学、大学(4年)、大学院(修士)。浪人と留年・休学は、それぞれ0年から3年までを選ぶ形です。

有料で出している履歴書テンプレートには、生まれた年から引く早見表を付けています。自動計算の結果がその早見表と食い違わないかも、1994年5月12日生まれの人で突き合わせました。

4やらなかったこと

留年が、どの学校で起きたかは聞いていません。

入力欄は「留年・休学」の1つだけで、その年数は最終学歴の卒業を遅らせます。高校で1年留年してから大学に行った人は、本当は高校の卒業から後ろが全部ずれるのに、このツールでは大学の卒業だけが遅れて出る。大学院まで行った人なら、大学で留年していても、ずれて出るのは大学院の修了のほうです。

どこで留年したかを聞けば、正しく出せます。ただ、質問が1つ増えるたびに、生年月日だけで埋まるという一番の手軽さが薄まる。かなり迷って、聞かないほうを選びました。

3年制の専門学校、6年制の学部、博士課程、高専、中退も、今は選択肢にありません。どれも実在する進路なのは分かっています。足すなら、境目のテストを先に書いてから足すつもりです。

小学校と中学校の入学も出していません。既定は高校入学からで、中学卒業から書きたい人だけチェックを入れる形にしました。新卒や学生の履歴書だと、中学卒業から書くほうが一般的なので。

学校名が空でも、行は先に出します。「(高等学校名)」のような仮の名前を置いておいて、あとから埋めてもらう。年月さえ並べば、学校名は思い出せる人が多いと考えました。

5正直に言うと、まだ分からないこと

計算が合っていたかどうか、使った人の側で確かめた数字を持っていません。

生年月日も学歴も、入力はブラウザの中にだけ保存して、サーバーへは送らない作りにしました。送るのは、身分証の読み取りを使ったときの画像だけです。個人情報を預からない代わりに、出した年月がその人の実際の学歴と合っていたかを、こちらから知る手段がありません。

直していないことも、書いておきます。

和暦を選んでも、職歴の年は変わりません。学歴は自動で和暦になりますが、職歴は手で打った数字をそのまま出しています。西暦で打てば西暦のまま。1枚の履歴書に西暦と和暦が混ざりうる状態です。自動で出た学歴の行を、1行だけ書き換える欄もまだありません。さっきの高校で留年した人は、今のところ直す手段が無いということになります。

それと、テストの38本は、私が思いつけた境目を並べたものです。思いつけていない境目が、たぶんまだある。

おかしな年月が出たら、こちらから教えてください。直したら、この記事にも追記します。ツールの細かい仕様は作品ページに、ほかに作ったものは制作実績とブログ一覧に並べています。

この記事を書いた人

NextCode(沖縄県宜野湾市)は、iOSアプリ・ホームページ/LP・NFCデジタル名刺・AI業務自動化を作っている開発スタジオです。 ここで書いているのは、実際に作って公開したものと、その過程で詰まったことだけです。

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