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開発事例

背景透過で止まっていたLINEスタンプ作りを、朝のうちに作り直した ― スタンプ工房

背景透過で止まっていたLINEスタンプ作りを、朝のうちに作り直した ― スタンプ工房

絵がきれいに出ても、それだけではアプリにならなかった。透過と文字と回数と保存先がつながって、やっと1本の流れになる。

LINEスタンプを作るアプリは、前にも作りかけていました。最初のコミットは2026年1月10日。止まった理由ははっきりしていて、背景透過です。

スタンプは背景が透明でないと使えません。生成した絵から背景をきれいに抜く処理が安定せず、制作がそこで止まった。コミットは7月30日が最後です。

9月23日の朝、画像生成のAPIに透明背景で出力させる指定を使えるようになったので、もう一度やってみることにしました。今度の名前はスタンプ工房です。

1前のアプリは直さず、新しく作った

前のプロジェクトは2つありました。機能をいろいろ積んだ「LINEスタンプジェネレーター」と、ZIPの書き出しがよくできていた「LINEスタンプメーカー2」。

どちらかを直す案も考えました。ただ、どちらにも背景透過の試行錯誤が混ざったまま残っていて、そこへ機能を足していくのは気が重かった。結局、ZIPの規格だけを参考にして、新しいリポジトリで作り直しました。古い2つには一切手を付けていません。

決めたゴールは1つだけです。キャラクターを決めたら、文言と絵をAIが一緒に描いて、透明なスタンプをセットでZIPにする。 生成したあとで人が文字を貼る工程は置かない。LINEへの登録や審査申請は、今のところ作った人がZIPを持っていく形です。

コミットの時刻で数えると、最初が6時36分、最後が9時42分。11回のコミットで、公開・会員登録・保存先・ポーズの調整まで入りました。

2「透明になったか」を、画素で確かめる

透明背景で出して、と頼んでも、毎回きちんと透明で返ってくるとは限りません。画像生成への指示にも「市松模様や白い下地、影の台を描かない」とわざわざ書いてあるくらいで、そこは信用しきれない。なので、返ってきた画像をブラウザーの中で1画素ずつ見ています。

判定は2つです。アルファ値が8未満、つまりほぼ透明な画素が全体の2%を超えていること。それと、四隅の4点がすべて透明なこと。どちらかを外したら、1回だけ自動で作り直します。2回目も駄目なら、カードに「透明背景を確認できませんでした」と出して、人に任せる。

何回でも作り直す作りにしなかったのは、1回ごとに画像生成の料金がかかるからです。自動で粘るのは1回まで、と決めました。

透明を確かめた絵は、LINEの規格に合わせてブラウザーの中で縮めます。スタンプ1枚は370×320。一覧用の main.png は240×240、スタンプを選ぶ画面のタブに出る tab.png は96×74。PNGは1枚1MB以下、ZIPは60MB以下かを書き出す前に検査しています。セットは8・16・24・32・40枚から選べます。

3文字はあとから貼らない

スタンプの文言は、あとから画像に重ねる方式にしていません。「ありがとう」なら、その文字をイラストの一部としてAIに描かせる。文字の位置・大きさ・色は、キャラクターのポーズに合わせて決めるよう指示しています。

あとから貼る方が、文字は確実にきれいに出ます。でもそれをやると、どのスタンプも「絵の下に同じ書体の文字」になって、LINEのスタンプ一覧で並べたときに、どうしても安っぽく見える気がしています。

画風は14種類あります。やわらかい手描き、ポップ、水彩、ちびキャラ、クレヨン、ドット絵など。要望のあった「昔のコミカルなSF漫画」の雰囲気は、特定の作品に寄せず、「80年代風のコミカルSF」という一般的な画風として入れ、既存のキャラクターやロゴを写さないよう指示に書いています。

4「ありがとう」で、ありがとうのポーズをさせる

使い始めてすぐ気づいたのが、文言とポーズが合わないカードが出ることでした。最初は、言葉の中の単語で大ざっぱにポーズを選んでいたからです。

そこで、用意してある13ジャンル・156の文言すべてに、1つずつポーズを決めました。「ありがとう」はお辞儀。「洗車中!」はスポンジで車を洗う。「釣れた!」は釣った魚を見せて喜ぶ。156個書くのは地味な作業ですが、これで既定の文言はAIに聞かずにポーズが決まります。

自分で打ち込んだ文言には、編集画面に「AIで文言に合うポーズ」というボタンを付けました。押したときだけ、軽いテキストのAIにポーズを考えてもらう。同じ文言の答えは保存して使い回すので、2回目からはAIを呼びません。1つのIPで1日20件、アプリ全体で1日120件という上限も付けています。

文言とポーズの決め方(2026年9月23日時点)

文言の種類ポーズの決め方AIの呼び出し
既定の156文言◎文言ごとに決めたポーズを即反映なし
自分で打った文言(初回)ボタンを押したときだけAIが提案1回
自分で打った文言(2回目以降)◎保存した提案を再利用なし
提案が気に入らないとき手で書き直せる(誤字を直しても消えない)なし

5無料で2セット、そこから先は会員登録

ログインしなくても、完成したセットを2回まで作れます。生成に失敗して完成しなかったセットは数えません。3セット目からは、メールのリンクで無料の会員登録をしてもらう形です。

画像の生成には、アプリ全体で1日180枚という上限を付けました。無料で公開する以上、誰かが大量に回すと、そのぶんの料金はこちらに来ます。上限は保険です。

作った画像は、本人しか見られない保存先にも入れています。ギャラリーに出すときは1時間で切れるURLを使う。ログイン前に作った画像も、同じ端末で会員登録すれば会員のギャラリーに引き継がれます。決済はまだありません。今は全部の機能を無料で開けています。

6正直に言うと、まだ通していない

ここは書いておきます。

実際のAPIで生成を確かめたのは、「ありがとう」の入った1枚だけです。日本語の文字がちゃんと描けていることと、背景の画素が透明なことは確認しました。でも、8枚のセットを実際に全部生成して、ZIPまで通す確認はまだやっていません。

メールで会員登録して、会員の画面で文言を編集する流れも、実際のメールでは通していません。ギャラリーは、試験用に作ったPNGで「本人の分だけ出る」「期限付きのURLが開く」ことを確かめた段階です。

作り直した判断が正しかったのかも、まだ言い切れません。前のアプリにあった機能のうち、何を持ってこなかったかを全部は洗い出していないので。

7作って分かったこと

一番大きかったのは、生成画像の出来だけではアプリにならない、ということでした。

透明の判定、文字とキャラクターの釣り合い、スマホで指だけで選べる画面、失敗したときに回数を減らさない数え方、途中の下書き、保存先、公開の設定。どれか1つが欠けると、途中で手が止まる。前のアプリが止まったのは背景透過のせいでしたが、今回それが片づいたら、次に止まりそうな所が順番に見えてきた感じです。

次は、8枚セットの実生成と、実際のメールでの会員登録を通します。そのあと、LINEに登録するところをどこまで手伝えるかを考える予定です。進んだらまた書きます。

スタンプ工房はこちらで公開しています。ほかの開発記録はブログ一覧に並べています。自分の店やキャラクターでスタンプを作りたい、という相談はお問い合わせからどうぞ。

この記事を書いた人

NextCode(沖縄県宜野湾市)は、iOSアプリ・ホームページ/LP・NFCデジタル名刺・AI業務自動化を作っている開発スタジオです。ここで書いているのは、実際に作って公開したものと、その過程で詰まったことだけです。

お問い合わせフォームは24時間受け付けています。

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