grill-me(Matt Pocock)
/grill-me と打つと、計画を「設計の木」として質問攻めにし、各質問におすすめの答えを添えてくれる。単体では動かず、同じリポジトリの grilling も一緒に入れる必要がある。
- 要件の整理
- 開発の進め方
npx skills@latest add mattpocock/skillsgrill-me の本体は「grilling を呼べ」の1行。122万回入れられているのに、一番大事なのは使う側の答え方だった。
AIに何か作らせて、できあがったものを見て「いや、そうじゃなくて」と言ったこと、何回ありますか。
自分は数えきれません。そしてたいていの場合、悪いのはAIではなくて、頼んだ側の頭の中がまだ固まっていなかった。grill-meは、そこを先に片付けるためのスキルです。
作ったのはTypeScriptの教育者として知られるMatt Pocockさん。スキル集 mattpocock/skills の★は、9月26日に測って269,912でした。その中で一番入れられているのがgrill-meで、スキルの配布サイトskills.shの数字は1,226,385回。ここ数週間も、毎週6万回以上入れられています。
grillは「焼き網であぶる」ですが、英語では「質問攻めにする」という意味でも使います。つまり、自分の計画をAIに徹底的に問い詰めてもらうスキルです。
GitHubで本体を開いて、少し笑ってしまいました。今のgrill-meのSKILL.mdには、名前と説明のほかに本文が1行しかありません。「grilling というスキルを呼べ」。それだけ。
最初に広まった2月の版も、本文は1文でした。訳すとこんな感じです。
ここがポイント
この計画のあらゆる点について、共通理解に達するまで私を容赦なく質問攻めにしてください。設計の木の枝を1本ずつたどり、決めごと同士のつながりを1つずつ解いていくこと。
3月に「質問ごとに、あなたのおすすめの答えも添えること」「コードを読めば分かることは、聞かずにコードを読むこと」の2文が足されて、8月のv1.2で中身がgrillingという別のスキルに移りました。grill-meは、人間が /grill-me と打ったときだけ動く入口になっています。AIが勝手に呼ぶことはありません。
grillingの中身を読むと、仕組みはかなりはっきりしています。
計画を「設計の木」として扱います。1つの決めごとの下に、それが決まって初めて決められることがぶら下がっている。前提が決まったものを全部まとめて、番号つきで一度に聞き、それぞれにAIのおすすめの答えを添える。答えたら次の段へ。聞くことがなくなったら終わりです。
線引きも書いてあります。ファイルの中身のような「事実」を調べるのはAIの仕事で、人間には聞かない。何を選ぶかという「決めごと」だけを人間に聞く。これは自分でAIに仕事を頼むときにも使える考え方だなと思いました。
grill-me のv1.2前後の違い
| 最初の版(2〜7月) | v1.2 以降(8月〜) | |
|---|---|---|
| 質問の出し方 | 1問ずつ | ◎答えられる質問をまとめて番号つきで |
| おすすめの答え | 3月から追加 | 各質問に必ず添える |
| 調べれば分かること | 3月から「コードを読め」 | サブエージェントに調べさせ、人には聞かない |
| 終わり方 | 共通理解に達したら | 聞くことが無くなり、人がOKと言ったら |
1問ずつがよければ、全体の設定ファイル(CLAUDE.md)に「grillingのときは1問ずつ聞いて」と書けば戻せる、と公式の説明にありました。
公式の説明で一番刺さったのがここです。
grill-meの失敗は、AIの側ではなく答える側で起きる。40問に「それでいい、それでいい」と答え続けると、AIが考えた計画にうなずいただけのものができる。長くやったぶん、ちゃんと決めた気になるのがよけい危ない、と。
分からないときは「分からない」と言う。おすすめの答えに反対なら反対する。質問の数は、4回のやりとりで46問くらいが普通だそうです。200問になったら、1回で決めようとしている範囲が大きすぎる。
ほかにも、プランモードは切っておく(計画を急いで書こうとするので)、新しい会話で始める、手持ちで一番いいモデルを使う、と書いてありました。見た目の好みのように話し合っても決まらないことは、先に試作を作って見てから戻ってこい、とも。
動画実際に紹介している動画
5 Claude Code skills I use every single day
Matt Pocock・2026/03/16
grill-me が広まるきっかけになった本人の動画。1分18秒あたりから grill-me の話です(英語)。
動画実際に紹介している動画
9 Things People Get Wrong With My /grill-* skills
Matt Pocock・2026/05/25
うなずくだけになる失敗、範囲の広げすぎ、モデルの選び方など、使い方の間違いを本人が9つ挙げています(英語)。
本人は5月に「コードを書くときにはgrill-meを使うのをやめた」という動画も出しています。代わりに使っているのが grill-with-docs で、質問しながら用語集(CONTEXT.md)と設計判断の記録を残していくもの。grill-meは何もファイルに残さないので、コードの仕事ではこっちのほうがいい、という話でした。
作る前に聞いてくれるスキルは、ほかにもあります。前回書いたsuperpowersのbrainstormingもそうです。
作る前に質問してくれるスキルの比較(★は2026年9月26日)
| スキル | ★ | 特徴 |
|---|---|---|
| ◎grill-me(mattpocock/skills) | 269,912 | 自分で呼んだときだけ。コード以外の相談にも使える。何も書き残さない |
| brainstorming(obra/superpowers) | 291,797 | 何か作るときは自動で割り込む。承認されるまで実装させない |
| /speckit.clarify(github/spec-kit) | 138,943 | 仕様書の曖昧なところを最大5問で聞き、答えを仕様書に書き戻す |
| /sc:brainstorm(SuperClaude) | 23,905 | 要件を洗い出す対話。フレームワーク全体とセットで入れる |
| vibe-check(TexasBedouin) | 607 | エンジニアでない人向け。ぼんやりした思いつきを作れる計画にする |
違いを一言でいうと、brainstormingは「AIの側が止まる」仕組みで、grill-meは「人間の側が考える」仕組みだと思います。brainstormingは作る前に必ず割り込んでくる。grill-meは呼ばない限り何もしないけれど、呼んだら人間が答え続けないと終わらない。
うちの環境にはsuperpowersとSuperClaudeが入っていて、brainstorming系は既に2つあります。なので、grill-meはまだ入れていません。ただ、コードとは関係ない「このサービスの値段をどう決めるか」みたいな相談には、grill-meのほうが向いていそうです。
grill-meは、自分ではまだ1回も回していません。46問に自分がちゃんと答えられるのか、正直あまり自信がないです。忙しいと「それでいい」を連打しそうで。
もう1つ気になっているのは、何も書き残さないという設計。考えがまとまっても、次の日に新しい会話を始めたら、それはどこにも残っていない。本人がgrill-with-docsに移ったのも、たぶんそこなんだと思います。
次は、デザイン系で★13万の「UI UX Pro Max」を、うちのMacで実際に動かした結果を書きます。紹介したスキルは記事の下にまとめました。ほかの記事はAIに入れる便利なSkillsとブログから。
grill-meを使ってみた感想があれば、お問い合わせから聞かせてください。
コマンドはリポジトリのREADMEに書いてあるものをそのまま載せています。入れる前に中身(SKILL.md)を一度読んでください。
/grill-me と打つと、計画を「設計の木」として質問攻めにし、各質問におすすめの答えを添えてくれる。単体では動かず、同じリポジトリの grilling も一緒に入れる必要がある。
npx skills@latest add mattpocock/skills何か作るときは自動で割り込み、1つずつ質問して設計を固める。承認されるまで実装に進ませない。
/plugin install superpowers@claude-plugins-officialGitHub公式の仕様駆動開発キット。仕様書の曖昧な点を最大5問で聞き、答えを仕様書に書き戻す。
uv tool install specify-cli対話で要件を洗い出すコマンド。SuperClaude というフレームワーク一式の中の1つとして入る。
pipx install superclaude「grill-me はエンジニア向け、こちらはそれ以外の人向け」と書いてあるスキル。ぼんやりした思いつきを、作れる計画にしてくれる。
npx skills add TexasBedouin/vibe-checkこの記事を書いた人
NextCode(沖縄県宜野湾市)は、iOSアプリ・ホームページ/LP・NFCデジタル名刺・AI業務自動化を作っている開発スタジオです。ここで書いているのは、実際に作って公開したものと、その過程で詰まったことだけです。
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