口コミ返信をAIに任せるとき、どこで手を止めるか ―「MEO Pro」
“全部AIが返した店は、いつか必ず、返してはいけない口コミに返す。”
Googleマップの口コミに返信すると効果がある。これは店舗をやっている人ならだいたい知っています。

それでも続かないのは、返信そのものが面倒だからではなく、気づかないからです。星1つが付いていることに、3週間後に気づく。放置された低評価が一番上に居座る、あれは店の空気まで悪くします。

4コマ漫画で見る開発ストーリー
私も沖縄でスマホ修理の店をやっているので、これは自分の話でもあるんですよね。日中はカウンターで割れた画面を預かっていて、パソコンの前に座れるのは閉店後。その時間から返信の文章をひねり出せるかというと、正直、無理でした。
▼ この記事を、ショート漫画にしました(タップで再生・音が出ます)

口コミ返信をAIに任せるとき、どこで手を止めるか ―「MEO Pro」を4コマ漫画にしたもの
1まず「気づく」を自動化した
MEO Proで最初に作ったのは、返信機能ではなく監視でした。新しい口コミが付いたら通知が飛ぶ。それだけです。

新しい口コミが付いたら通知が飛ぶ監視のしくみ
作る前は逆の順番を想像していたんですよね。AIがうまい返信を書く、そこが目玉だろう、と。毎朝プロフィールを開く運用を数日やってみたら、しんどいのは書く工程じゃなかった。開いて、探して、無いのを確認して閉じる。この空振りです。
空振りが3日続くと、4日目には開かなくなります。続く仕組みと続かない仕組みの差は、根性ではなく手数の側にあります。12年ぶん受付を回してきた実感です。
これだけでも変わりました。返信までの時間が短いほど、書いた人が読む確率が高いからです。1ヶ月後の返信は、もうその人には届きません。うちが目安にしているのは24時間以内です。
通知の届け方でも迷いました。メールは埋もれる。専用アプリを入れてもらうのは店の人にはハードルが高い。結局、未返信をダッシュボードに溜める形へ。溜まっているのが見えると、人は片付けたくなるので。
未返信の数が出ているだけの画面ですが、0にしたくなる力はけっこう強いです。機能としては地味です。人に見せても、ここではたいてい何の反応もありません(笑
2返信をAIに書かせるかどうかで悩んだ
下書きをAIに作らせるのは簡単です。星の数と本文を渡せば、それらしい返信は出てきます。

AIの下書きをそのまま投稿させるかどうか迷っているところ
問題は、そのまま投稿させるかどうかでした。
この「それらしい」が曲者でして。Geminiに投げると、どんな口コミにも角の立たない文章が返ります。日本語としては正しい。店の言葉かと言われると、違う。
最初のバージョンには、下書きをそのまま送信するボタンを付けていました。テスト用のデータで一通り流して、並べて読んで、その日のうちに消しました。全部が同じ顔をしていたんですよね。ありがとうございます、貴重なご意見、今後の改善に活かします。悪くはない。ただ、これを毎回出してくる店を、自分なら信用しないな、と思ってしまった。
どこまでAIに任せるか
| やり方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 全部AIが自動投稿 | クレームや事実誤認にも機械的に謝る。炎上の火種になる |
| AIが下書き、人が確認して投稿 | ◎採用。面倒な部分だけ消える |
| 全部人が書く | 続かない。3週間放置に戻る |
採用したのは真ん中です。AIは「書き出しの空白」を消すためだけに使う。星5つのお礼なら下書きのままでもほぼ通りますし、星1つなら人が必ず手を入れることになります。
読んで直すのは2、3分。白い入力欄の前で手が止まる時間を思えば、縮んだのはここでした。
続くかどうかは、1回あたりの重さで決まります。軽くならないものは、どれだけ正しくても止まる。あれこれ試して、最後に残ったのがこの一行でした。書いてしまえば当たり前に見えるのが、また悔しいところで。
3星1つへの返信は、書く相手が違う
ここは作りながら気づきました。

低評価への返信を、これから店を選ぶ人が読んでいる様子
低評価への返信は、書いた本人に向けて書いているようで、実際はこれから店を選ぶ人が読んでいます。前提をそこに置いた瞬間、書く中身が変わりました。感情的に反論した返信が残っていると、口コミ本体より返信のほうが刺さる。
自分が店を選ぶときも、たぶん同じことをやっています。星の平均は流し見で、低い評価のところで指が止まって、店がどう返しているかを読む。そこで感じが悪いと、静かに他を探す。選ぶ側では毎回やっているのに、書く側に回った途端に忘れるんですよね。
なので下書きのトーンは星の数で変えています。星4〜5は、触れてくれた点を1つ拾って短くお礼。星3は感謝と、足りなかった点への一言。星1〜2は事実確認と改善の意思だけ。反論は書かない。
言い訳の余地を作らないほうが、結果的に印象がいい。この線引きが正解かは、まだ分からないままです。
4数字が動くまでは時間がかかる
即効性はありません。返信した翌週に来店が増える、なんてことは起きない。

口コミ返信の効果が数字に出るまで時間がかかること
正直に書いておきます。返信すれば検索順位が上がる、という言い方を私はしません。Googleが何を見ているかは公表されていないので。
効いてくるのは、検索したときに「ちゃんと運営している店」に見えるかという一点です。これは何ヶ月か経ってから効いてきます。だから続けられる形にすることが、機能の良し悪しより大事でした。
この手の結論は、作る側としては一番おもしろくない部類でして。もっと派手な機能を足したくなる。100本近く並べてきて、当たらなかったものを思い返すと、たいてい派手なほうを選んだときでした。
なので機能を足すことより、開いたときに片付けるものが目の前にある状態を保つほうを優先しています。
5機械で止めるか、文章のほうで防ぐか
AIの下書きをそのまま投稿している店も、たぶんあります。うちのツールでもボタンは1回押すだけなので、中身を読まずに押すことはできてしまう。

そのまま出しても事故らない下書きに整えようとしているところ
そこを機械的に止めるべきか、まだ決めきれていません。低評価だけ確認を挟む案は、実装の手前で手が止まりました。安全にはなる。そのかわり急ぐ人には邪魔でしかない。夜中にその分岐を書きかけて、コメントだけ残して閉じたブランチが今も残っています。朝もう一度開いて、消す気にもなれませんでした。
しばらくは下書きのトーンを整える側で調整します。止めるより、そのまま出しても事故らない文章にするほうが筋がいい。ただ、これが判断なのか逃げなのかは、自分でもまだ分かっていない。怖いのは、もし事故が起きるとしたら、それは私の知らない店の、私が見ていない画面で起きるということです。
もし今、返していない口コミが溜まっているなら、順位のことはいったん忘れて、一番上に来ている一件だけ返してみてください。全部やろうとすると必ず止まるので、一件だけです。それで店の空気が変わるかどうかは、一件返してみると案外すぐ分かります。合いそうならご相談でも構いませんし、他の制作物は制作実績に置いてあります。
その「そのまま出しても事故らない下書き」を星1つのケースでどこまで作れるかは、いま手を動かしている最中です。形になったら報告します。ならなかったら、それも含めて。
口コミは、店に届いた手紙です。返さないという返事も、ちゃんと相手に届いてしまう。
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MEO Proの詳細を見るこの記事を書いた人
NextCode(沖縄県宜野湾市)は、iOSアプリ・ホームページ/LP・NFCデジタル名刺・AI業務自動化を作っている開発スタジオです。 ここで書いているのは、実際に作って公開したものと、その過程で詰まったことだけです。
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