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開発事例

60秒で遊べるところまで持っていくために、消したもの

60秒で遊べるところまで持っていくために、消したもの

作れるツールと、作り終われるツールは、別ものでした。

子どもが自分でアクションゲームを作れるツールを作りました。名前は「ドット工房 つくってジャンプ」といいます。

ドット工房 つくってジャンプの画面

目標は最初から1つだけでした。60秒で、遊べるところまで行くこと。

60秒で遊べるところまで持っていくために、消したものを4コマ漫画にしたもの

60秒で遊べるところまで持っていくために、消したものを4コマ漫画にしたもの

面白いものが作れるかどうかは、その次です。まず終わらないと、面白いかどうかの判定にすら入れません。

1作れるツールと、作り終われるツールは違う

この手のツールは世の中にたくさんあります。どれも高機能です。そして、たいてい途中でやめられます。

作れるツールと、作り終われるツールは違うを表すイラスト

作れるツールと、作り終われるツールは違うを表すイラスト

原因は難しさではないと思っています。手数の多さです。

設定画面が1つ開くたび、子どもは「あとでやろう」に近づきます。10分かかる時点で、その10分は他の遊びに勝てません。

だから機能を足す方向では考えませんでした。60秒という制限時間のほうを先に固定して、そこに入らないものを外していく作り方にしています。

この決め方は、正直かなり乱暴です。良い機能でも時間に入らなければ落ちます。実際、いくつか捨てました。

60秒に入らなかったものを落とした結果

よくある作りドット工房落とした理由
チュートリアルを最初に読ませる無し。置いたら跳べる読む前に閉じられる
キャラや背景を先に選ばせる無し。最初から出ている選ぶ手数が増える
保存してから再生置いた瞬間に反映保存を押す理由が本人に無い
物理や速度をパラメータで調整固定値触ると壊れて戻せなくなる
アカウント作成不要60秒に入らない

2保存ボタンを消した

いちばん迷ったのはここです。

保存ボタンを消したを表すイラスト

保存ボタンを消したを表すイラスト

作ったものが消えるのは、大人にとっては事故です。でも子どもにとって、保存は「作り終わった人がやること」なんですよね。まだ作っている途中の子は押しません。

押さないボタンを置いておくと、押さなかったせいで消えます。ボタンがあるほうが不親切になる、という逆転が起きていました。

なので置いた瞬間に反映する形にして、保存という工程そのものを外しています。

ただ、これは万能ではありません。長く作り込みたい子には向いていない作りです。そこは割り切りました。

3置く。跳ぶ。それだけ

操作は、指でブロックを置くことに絞ってあります。置いたら、その場で遊べます。

置く。跳ぶ。それだけを表すイラスト

置く。跳ぶ。それだけを表すイラスト

作る画面と遊ぶ画面を分けていません。分けた瞬間に、行き来という手数が1つ増えるからです。

この「置いてすぐ跳べる」を成立させるために、内部の作りは素直ではなくなりました。編集中も裏でゲームが動き続けています。実装としては面倒なほうです。

でも面倒さは、こちら側で引き受けるべきものだと思っています。使う側の手数と、作る側の手数は、どちらかが増えればどちらかが減る関係にあります。

48ビットの見た目は、飾りではない

画面は昭和のこどもパソコンのような8ビット風にしてあります。懐かしいから選んだわけではありません。

8ビットの見た目は、飾りではないを表すイラスト

8ビットの見た目は、飾りではないを表すイラスト

ドットの絵は、上手い下手が出にくいんです。

きれいなグラフィックのツールで作ると、自分の作ったものが「しょぼい」に見える瞬間が必ず来ます。ドットなら、そもそも全部が粗いので比較対象になりません。

見た目のジャンルを選ぶことが、そのまま自信を折らない設計になっている。ここは狙って選びました。

レトロ好きの大人が触ってくれるのは、副産物です。ありがたいですが、狙いはそこではありません。

5正直に言うと

うまくいっていないところもあります。

正直に言うとを表すイラスト

正直に言うとを表すイラスト

60秒で1本できるようになった結果、2本目を作る理由が弱くなりました。すぐ終わるものは、すぐ飽きます。手軽さと、続ける理由は同じ方向を向いていません。

作ったゲームを誰かに渡す導線も、まだ弱いままです。人に遊んでもらえたときが本当のごほうびのはずなのに、そこが1回では届いていない。

本当に60秒で終われているのかも、実のところ測れていません。作った本数は見えますが、途中でやめた子の数は見えないからです。見えていない側にこそ答えがあるはずで、そこはまだ手を打てていません。

触るだけなら1分もかかりません。ドット工房 つくってジャンプから遊べます。他に作ったものは制作実績に並べています。

お子さんに触らせてみて、何秒で飽きたか教えてください。こちらから届きます。その数字がいちばん欲しいです。

この記事を書いた人

NextCode(沖縄県宜野湾市)は、iOSアプリ・ホームページ/LP・NFCデジタル名刺・AI業務自動化を作っている開発スタジオです。 ここで書いているのは、実際に作って公開したものと、その過程で詰まったことだけです。

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